階段が登れないの場合の対処法を解説
2025.11.17 Category:
「階段が登れない」という症状は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、体のどこかに異常が起きているサインであることがあります。
今回は、「階段を登れない」という状態に関係する可能性のある病気や、その原因、対処法について、わかりやすく解説していきます。
階段が登れない理由
階段を登るには、足の筋力、関節の動き、バランス感覚、心肺機能など、体のさまざまな部分が連携して動く必要があります。そのため、どこかに不調があると、登る動作がうまくできなくなるのです。
「なんとなく登れない」だけでなく、「足が上がらない」「すぐに息切れする」「痛くて登れない」「力が入らない」など、どんな風に登れないのかを詳しく観察することで、原因がある程度わかることもあります。
考えられる主な病気や原因
ここでは、考えられる病院や原因を考えてみます。
※最終的には、専門家にご相談ください。
1. 筋力の低下(加齢・筋肉の病気)
筋力が弱まると、階段を登る動作がつらくなります。特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)が衰えると、膝をしっかり伸ばして段差を登ることが難しくなります。
- 加齢による筋力低下(サルコペニア)
- 筋ジストロフィーなどの筋肉の病気
- 長期間の運動不足
筋肉の病気が原因の場合、階段だけでなく、立ち上がる、歩くといった動作全般がつらくなってくるのが特徴です。
2. 関節の病気
膝や股関節に痛みがあると、階段の上り下りが困難になります。特に、階段の上りでは体重が膝に大きくかかるため、膝の関節に炎症や変形があると強い痛みを感じます。
主な疾患
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 痛風性関節炎
痛みが出るタイミング(最初の一歩、曲げた時など)や、痛む場所も確認しておくと、診断の参考になります。
3. 神経の障害
神経が正常に働かなくなると、足に力が入りにくくなったり、しびれを感じたりします。階段を登ろうとしても、うまく筋肉が動かせなくなることがあります。
可能性のある疾患
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 多発性硬化症
- ギラン・バレー症候群
特に、片足だけが動かしにくい、力が入らないといった症状がある場合は、神経のトラブルを疑います。
4. その他の原因
肥満
体重が重くなると、階段での負担が大きくなります。特に膝や股関節への負荷が増えるため、痛みや疲労を感じやすくなります。
精神的な要因
うつ病や不安障害などがあると、身体を動かす意欲がわかず、階段を登ることが難しく感じることもあります。
服薬の影響
一部の薬(筋肉を弱める作用のあるものなど)によって、力が入りにくくなることがあります。
※くわしくは、医療機関など専門家にご相談ください。
日常生活でできる対策は筋トレ
ここでは、日常生活でできる対策をご紹介します。
階段が登れない原因の多くは筋力低下に関係しています。自宅でできる簡単な筋トレ(椅子から立ち上がる、かかと上げなど)を少しずつ取り入れましょう。
どうしても階段の上り下りが必要な場合は、どうしたらいいでしょうか。
階段が登れないときの選択肢として「階段昇降機」
階段を登れない原因や考えられる病気、そして日常生活でできる対策についてご紹介してきました。しかし、対策をしてもすぐに症状が改善するとは限らず、また年齢や病気の進行によって、これまでのように自由に階段を使うのが難しくなることもあります。
このような場合、無理をして階段を使い続けることは、転倒やけがのリスクを高めるだけでなく、日常生活の自由を制限してしまう原因にもなります。
選択肢の一つとしてご紹介したいのが 「階段昇降機(かいだんしょうこうき)」 です。
階段昇降機のメリット
1. 転倒リスクの軽減
最も大きなメリットは、「安全性の確保」です。足腰に不安がある状態で階段を使うと、少しのバランスの崩れが大きな事故につながります。昇降機を使えば、座っているだけで安心して階段の上下ができるため、転倒やけがを防ぐことができます。
2. 日常生活の自由を保てる
階段が登れないことで、2階への移動をあきらめて1階だけで生活するようになったり、トイレやお風呂の場所を変えたりと、生活スタイルを無理に変更する方も多くいらっしゃいます。しかし、階段昇降機があれば、今の住まいでこれまで通りの生活を続けやすくなります。
3. 介護者の負担を減らす
介護が必要な方にとって、階段の昇り降りは大きな負担です。それを支えるご家族や介護職の方にとっても、毎回の移動を手伝うのは身体的にも時間的にも大変です。階段昇降機は、自力での移動を補助してくれるため、介護する側・される側の負担を大きく軽減してくれます。
設置事例
ここでは、階段昇降機の設置事例をご紹介します。
いす式で便利!!直線型の階段昇降機「昇助くんSEO9-R」
お住まいの長い階段も手軽に設置!!
2階にお住まいということで設置させていただくこととなりました。比較的、距離の長い階段で、上り下りがご負担であったとのことです。階段距離が標準より長いため、延長レールを用いて設置しています。
介護タクシーなど玄関への移動に便利!!屋外・直線型の階段昇降機「昇助くんSEO9K-L」
設置が難しい石積みの階段にも設置!!
ご利用者様はご自身では歩かれることが難しく、車いすをご使用です。介護タクシーなどを利用されるのに、玄関からの階段が問題になっていたとのこと。階段昇降機を導入したことで、スムーズに外出もできるようになりました。
電動の階段昇降機はレンタルがおすすめ
階段昇降機なら、設置するスペースも小さくて済みますし、レンタルなら費用も安く抑えられる方法があります。
まとめ
今回は、階段が登れないの場合の対処法を解説しました。
階段が登れないという症状には、さまざまな原因が考えられます。単なる運動不足や加齢のせいと思っていても、実は筋肉や神経、関節、心臓、肺などの病気が隠れていることもあります。
「なんとなく不調だな」と感じた段階で、早めに医師に相談することが大切です。正確な診断を受けることで、適切な治療やリハビリを受けられ、日常生活の不便を減らすことができます。
階段の上り下りには、階段昇降機の設置が有効な方法の一つです。ご自宅の階段に設置可能かどうか、福祉用具のプロに、お気軽にご相談ください。


